その電話は、師匠Oさんからだった。
「明日、船が出るぞ!」
連休が明けてから例年より大幅に早い梅雨が訪れ、釣り事情もずれ込んでいた。
キターー!待ちに待った“ハタ”釣りに行けるぞ!
つい気持ちを抑えきれず同僚のRさんにもらしてしまったのが、ブログの始まりだったのだ。
そして起床は3時だが、もはや眠れるはずはなかった。
出港は5時30分。
昨日までの雨の影響で、天候は曇り空でも気分は大いに晴れていた。
近場の沖合で、いよいよ開始!
そして間もなく、
えっ!・・・
まわりはすべてエサ釣りの中のアウェイ・・・
この状況下でも師匠は言い放った。
「お、俺たちはルアーをつらぬくぞ!」
案の定、1時間経過しても一匹も“ハタ”は針にふれず
さば、さば、さば
“ハタ”の食いつきはやはりエサだったのだ。
2時間後には師匠も船上で横になり、眠りに入っていた。
これほど帰港の15時までが長く、そして潮風が目に染みた事はなかっただろう。
帰路の高知道のトンネルは、無論暗闇以外の何物でもなかった。
無口だったはずの師匠の愚痴は、とどまるところを知らなかったのだ。
そしてついに、二人は誓った。
「来月、リベンジするぞ!」
「次は、赤ムツ、黒ムツだ!」